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99歳 精神科医の挑戦 好奇心と正義感

秋元 波留夫
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99歳 精神科医の挑戦 好奇心と正義感の詳細
  • おすすめ度:まだ評価されていません。
  • 出版社:岩波書店
99歳 精神科医の挑戦 好奇心と正義感のカスタマーレビュー

「老いることへの希望」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2007-03-28

 本邦精神医学界の巨人である。これほどの輝かしい業績を上げつつ生涯にわたって筋を通している。かつ心身とも健康である。もちろん遺伝子レベルで常人とは異なっているのだろうからまねの使用もないが。でも彼を見ていると長生きしてもいいかもしれないと思わせてくれる。法の規定では60歳以上の人間の証言は証拠能力を持たないという。しかし彼の存在の前では無意味である。むしろ人類にとって損失ですらある。こんな方もいるのだと一般の方に是非おすすめしたい1冊である。

「麻原被告に面接した「100歳の精神科医」」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2006-02-03

先日の朝刊社会面に、100歳の精神科医が、麻原彰晃被告に、2月1日、面接したという記事があった。
「100歳の精神科医」が、本書の著者の秋元、大先生。
駆け出しの私に、通りすがりにお声かけいただいたことがある。そのとき「こちらこそいろいろ学ばせていただきたいです」と、おっしゃった。大先生−雲の上の人−のはずが、その姿勢の謙虚なことに、驚かされ、ひたすら感動した。(それまでのご活躍から、巨体をイメージしていたが、華奢で小柄、なのにも驚いた。)
今週、本書の書評を目にしたので、さっそく取り寄せ、文字通り、一気読み。加えて、先の新聞記事、である。
なぜ、麻原被告に会いにいったかも、本書を読めば理解できる。著者の、これまでも、今も、そしてこれからも、精神科医というスタンスから、精神障害者福祉や医療、この国の状況について、うなずける論究を、幅広い視点に立って、展開している。
100歳にしてなお意気軒昂−−はっきり言って「怪物」と呼びたいが−−、その「怪物」がどうやって作られたか、が知れる(生い立ちから書かれていて−−「メイキング・オブ・秋元波留夫」(編者の上田敏氏の表現)になっている)。今回も、圧巻だったのは、治安維持法下で、逮捕拘留された「被害者」から発生した「拘禁精神病」に触れた章、である(六章 忘れじの面影)。枕にでもなりそうなくらい厚く、一人の著者がしかもご高齢になられてから著した、『実践精神医学講義』に、より詳しい。
にしても、姉歯、ライブドア、防衛施設庁、東横イン...、好奇心・正義感・愛情まで旺盛な著者は、この社会病理をどう分析されているだろうか?