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パレスチナ難民の生と死―ある女医の医療日誌 (同時代ライブラリー)

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パレスチナ難民の生と死―ある女医の医療日誌 (同時代ライブラリー)の詳細
  • おすすめ度:まだ評価されていません。
  • 出版社:岩波書店
パレスチナ難民の生と死―ある女医の医療日誌 (同時代ライブラリー)のカスタマーレビュー

「ここは世界の「片隅」ではない」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2007-07-22

本書は1985年から1987年までの、レバノンのパレスチナ人難民キャンプにおける医療活動の記録である。だが、読み進むにつれて、著者が極めて困難な時期に遭遇したことが理解される。

1986年、PLOと対立関係にあった、レバノンの民兵組織「アマル」は、ベイルートのパレスチナ人難民キャンプへの攻撃を開始した。所謂「キャンプ戦争」である。そして、著者が赴任したブルジバラネ難民キャンプは6ヶ月の間封鎖され、難民25,000人の絶滅さえ危惧されたのである。
本書の後半部はこの封鎖期間中のキャンプ内の記録に充てられている。食料や物資の絶対的な不足により、医療活動はままならない(著者もまた、飢餓に苦しんでいる)。しかし、イスラエルの建国以来、常にそうであったように、ここでもやはりパレスチナ人達の声は顧みられることが無い。
著者の苛立ちと焦燥はまさにここにある。著者の友人は本書で次のように語る。「誰もパレスチナ人のことなんか聞こうとしないんだ。僕は前にもこういうことを経験している。世界中がパレスチナ人の問題など存在しないと思いたがってるんだ」(p.264)

ある程度パレスチナ問題の予備知識がないと、とっつきにくいかもしれないが、貴重な記録である。一読するに如くはない。