「桃源郷のエクソダス」 おすすめ度:
投稿日:2007-07-09
一起業家(バブル紳士だが)が「政官財暴」に逆らうとどんな酷い目にあうかという実録。蒲田の国有地払い下げの件で、まず政治家とヤクザが入札妨害してくる。根性のない或は賢明な業者は全部降りてしまう。その上で政官財暴は国有地をバカ安で入手してアブク銭を得ようとしていたのだが桃源社のおかげで失敗する。が、絶対諦めない。マスコミ工作で桃源を悪役にしたてたうえで金融機関に圧力をかけ融資を止めさせる。ノンバンク等からカネを借りどうにかしのぐと今度は地区の公共性を根拠に役所は極度に難しい施設設計を要求し建築許可等の許認可を絶対に出さない。結局、ゼネコンも金融機関も政官財暴のメンバーに編成替えせざるを得ず取り込まれていく。その中心が興銀だ。はじめは下手に出ていたが、やがて自分の不良資産を幾つも押し付けたり他銀行の口座を解約して17億もの口座を開設しなければ融資ストップすると脅す。条件を泣く泣く呑むと待ってましたとばかり融資ストップし桃源社を支払い不能にしたり、押し付けておいて自己資金で再生させた上記不良資産をヤクザに占有させるという自作自演で瑕疵物件にして全部差し押さえ競売に付し安価で自己競落する。強引に白紙委任状を取り勝手にいつの間にか桃源社の主要資産に抵当権設定をしヤクザに占有、瑕疵物件化させ競落し蒲田ビル以外の資産も全て乗っ取ろうとする。官僚もグルであり10年間名義変更不可の筈の国有地の名義変更をアッサリ銀行のダミー会社に許可する。上記17億は返さない。新井将敬、橋龍の秘書がこうした構図中でひたすら著者にたかろうとする。蒲田ビルの下には大地震には耐えられそうにない明治期の巨大な下水管が埋まっている。
「顔を見せない権力の凄まじさに生唾を飲む一作。」 おすすめ度:
投稿日:2007-04-26
桃源社のオーナー佐佐木吉之助はバブル期の住専問題で国会に証人喚問され、
TVで流された、オールバックの髪に、国会議員など微塵も恐れず応対した、
彼の姿を未だに覚えている人も多いと思う。
この本は、殆どが当時羽田空港への新線が計画され、にわかに重要な土地となった、
蒲田駅ヤード跡地の入札、取得、ビル建設期間における、
誰が相手の首謀者かわからない勢力との自身の戦いを、医師から不動産会社の経営者に転身した異色の経営者、佐佐木自身が書いたものである。
入札の段階から妨害が始まり、ビル建設にかかると、建設を請け負っていたゼネコン連合と、
数行で組んでいた桃源社への出資を行う銀行シンジケートが何者かに圧力をかけられ始める。
佐佐木自身もまったく状況を把握できないうちに、次第にその勢力は自ら姿を現し始める。
それは、筆者が「かっぱらい銀行として名高い」と表現する日本興銀とゼネコンの王者鹿島建設である。
そしてその裏にいる筆者自身も名前もわからない政治家、官僚が影で動き、
ついに蒲田プロジェクトは破綻に追い込まれる。
この本で佐佐木が、多少の誇張はあるかもしれないが、虚偽を書いているとは思えない。
権力と権力に結託した、顔を決して見せない「政官財暴」による佐佐木潰しは、
あまりにもリアリティーがあり、この国の「闇」をまた思い知らされる。
「奇書にして希書だが貴書ではない、」 おすすめ度:
投稿日:2005-07-26
当事者本人がつづる迫力あるドキュメントです、
ただし江戸っ子である著者特有のべらんめぇ!口調の文体は読者によっては拒否反応を起こす可能性あり、文筆初心者が怒りを込めて綴った本なので同内容の繰り返しが煩雑な部分も多い、しかし読む価値も将来のためにも残す価値も在る本です、
一種の自伝ともいえます、よって自分自身をある程度は美化しているだろうことも間違いなく、あんたはそれだけの「大金」を動かしながらそんなに”純情”な人間だったのか?との疑問も湧きます(著者の投資に関する「姿勢」はとても”純粋”であることは確かなのだが)、
登場人物も会社名もすべて実名、彼らのきわどい発言がそのまま掲載されており、本来であれば著者に批判された勢力からの批判本が出版されてしかるべきところなのに、彼ら自身と彼らの属した企業の多くはすでに存在しないことから何ら反論されていない現実に驚きます、
本書の価値が更に増加するためには是非とも続編が必要でしょう、
とりわけ入札が第1位656億円、第2位230億円という異常な結果となった経緯、そして興銀の貸し渋りと鹿島の抵当権設定過程については第三者によるリポートが必要とおもう、(入札価格を当時の取引きの相場・実勢価格で計算すれば著者が落札した656億円で妥当と評者も考える)
後半に繰り返し現れるプロジェクト・ファイナンスに関する言及は金融関係者ほど身にしみる(もしくは見たくない)でしょう、
1980年代後半からの十数年、バブルと呼称される時代の生成と崩壊過程についてはすでに通史が何冊も発行されています、その中で著者と桃源社に関しては数行もしくは1ページ程度が記述に費やされるのが普通です、それだけあの時代は「巨大で過剰」であったということでしょう、
「バブルの犯人とは。」 おすすめ度:
投稿日:2004-10-12
バブル時代にその象徴とも言うべき人物として伝えられてきた桃源社社長が書いた手記です。なんとなく印象で持っていたバブルのイメージを払拭させられました。様々な企業、政治家が実名で登場するのと、取引される金額が正確に記載されているので、非常にリアルです。政官財の横暴さは想像以上に凄いものがあります。今もバブルの清算が行われていますが、バブルの清算とはどういいことなのかを改めて考えさせられてしまいました。誰が犯人なのか。この物語を知らずしてバブルを語ることなかれ、一流といわれる企業、政治家、役人が何をしでかしたのか改めて確認してほしいと思います。お勧めです。
「巨悪の実体が浮き彫りに」 おすすめ度:
投稿日:2003-12-21
マスコミで騒がれた桃源社社長の実名入り実録。数ある実録シリーズのなかでもその金額の大きさと政官財界の巨悪の醜さを暴くスケールの大きさは、史上最大といえる。いかに社長が巨悪に落としめられていったか?バブル崩壊が無策な政治家による「人災」であることがこの本でよくわかります。